2011年6月24日金曜日

下から二番目

唇を除いて、キスをしたことがある回数が一番多い部位はどこですか? お尻? それともほっぺた? それともつま先? それとも膝の裏? それともそれとも? 人体でキスができない場所などひとつもありませんし、キリスト教徒は絵にも額縁にもキスをします。よーしマリア様のイコン画を通じてあの娘と間接キス。と思ったら、キスしたあとを指でかるくなでて去っていきました。優雅なもんです。



ソウルへ行くために作ったパスポートは、ロンドンへ行ったあとに破棄。2009年にバンコクへ行くために二つ目のパスポートを作成しまして、バンコクから帰ってきてからなくしまして、用もなかったのでずっとそのまま放置していたのですが、世界一周するぜ!と鼻息荒く意気込んで会社をやめ、一人暮らしの家を解約し、実家に転がり込んだらパスポートが見つからない。引越しで作った段ボール箱25個。全部開封しまして、吉高由里子の写真集の間から見つかりまして、そういや引越し前にパスポートは発見していて絶対にこれだけはなくさないように、と一番大切な本の中へ挟んでおいたのを忘れていました。もちろん吉高に向かってお礼のキスと敬礼(これ、パスポート関係なく毎日やっていますいまでも)。



話は本題に入りましてアルバニア入国スタンプについてです。いまはハンガリーにいるので、まあリアルタイム感は皆無ですが、機は熟した!ということでいまさらこのエピソードをご紹介します。機は熟したというか、宿がネットつながりませんで(プロバイダーを変えている最中だとの回答でしたが本当かな?)暇つぶしにキーボードを叩いているだけですが……


そういえば、私はいま編集者の神保さんとポッドキャスト企画をやっておりまして、聞いているひとがいるのかいないのかさっぱりわかりませんが(まあこのブログも似たようなもんですが)地味に続けていくつもりなのですが、前回の収録時に(今月中には公開されるはずです。具体的な話が全くでてこないグルジア・アルメニア編となっております)、その相方の神保さんより、歴史問題とか国際情勢とかそういうめんどうくさいことは文章で書いてくださいどうせ口頭でうまく説明するスキルないでしょ?とリクエストを受けまして(すみません後半は嘘です。神保さんがどなたかわからない方はラジオを聴いていただきたいのですが、そんなことはたとえ思ったとしても言わないきわめて善良な方です。ちなみに彼女募集中だそうなので興味がおありの方は「年収いくらですか」という件名でメールを送ってみてください)、なのでここにアルバニアの説明を書きます!


「!」をつけてテンションをあげてはみたものの、そんなにアルバニアに詳しいわけでもないので困りましたが、ポイントはひとつ、20年前まで鎖国していたということです。アルバニアは古くはローマ帝国、その後もビザンツ帝国、オスマン帝国などなどに支配された経験を持つアドリア海に面した小国で、その波乱万丈な歴史ゆえに、首都ティラナにある国立歴史博物館の展示(紀元前から現在までの歴史を辿れるようになっています)が鼻血が出るほどおもしろいのですが(なにせ博物館にはいったとたんにアメリカの国歌が流れてきますから。コソボ問題に触れると長くなりすぎるのでこのエントリでは割愛)、第二次世界大戦後もその勢いは止まりませんで、エンヴェル・ホジャ氏の指導の下、共産主義国家を目指すもその理想が独特すぎてユーゴスラヴィアと断交するわスターリン批判後のソ連とも対立するわその後接近した中国とも袂を分かつわという感じでおよそ友達などどこにもいない、という状態になりました。そりゃ鎖国くらいしなきゃやってられないわな。その鎖国を解いたら解いたで今度は市場が混乱、ネズミ講で国民の1/3が財産を失い各地で暴動がおき国内の警察では止められず国連多国籍軍出動、というほとんど冗談のような近現代史を抱えた、現在ヨーロッパで下から二番目に貧しい国であります。


鎖国していたがゆえに、周囲の国と結ばれた国際線がバス・電車ともにまだまだ乏しく、国境越えも容易ではないと聞いていましたのでどうなるかな、なんなら行かなくても良いかな、くらいに思っていたのですが、ギリシャでバスのチケットを買うときに、ブルガリア行きは無いと言われ、じゃあマケドニア行きをくれと言えばマケドニア行きもないと言われ、じゃあ何があるんだよと半ギレになってたずねたらアルバニアならあると。半信半疑でチケットを買ってバスに乗ると、確かにコンパスはアルバニアの方向を指しおりまして、一安心。どこまで人を疑ってんだテメエは、ということなんですけれども、逆に窓口の人に言わせたらいったいこいつは何がしたいんだ?という感想でしょうか。ギリシャ出られりゃどこでもいいのかっていう。まあ図星ですけどね。



さて国境。ギリシャ出国はバスのなかでパスポートを回収して、まとめてハンコを押したのちに、一人ひとり名前を呼んで返却(なお、私は「ジャポン!」と呼ばれました。私などが日本を代表して返事をしてしまい恐縮です。特に天皇陛下すまん)という方式ですんなり終了。アルバニアはどうかな?と思ったらこれも同じ方式でさっさと手続きは終わりました。だがしかし、あいかわらず疑り深い私は自分の目の前でスタンプが押されない場合は、かならずすぐに本当に押されたかどうか確認することにしています。案の定、いくら探してもアルバニアのスタンプがありませええええん!!と、「なんだかジャポンが騒いでいる」ということになり車内は軽く混乱、どうしたどうしたとかわるがわるギリシャ人がやってきては私のパスポートをひったくりぱらぱらめくります。そして突っ込み。ここにちゃんとあるじゃねーか。






パスポートのどこにスタンプを押すか、というのはスタンプ押印係りの性格で左右されるのか、それとも国家全体の意思が反映されているのか私は存じ上げません。日本、タイ、日本、香港、トルコ、グルジア、グルジア、アルメニア、グルジア、トルコまではびっしり隙なく続けて押されており、ギリシャで一気に10ページほど飛ばして押され、さあ次はどこだと思ったらこのページでした。世界一周旅行初心者なのでぬるいことを言っているのかもしれませんが、この一番最後のページはそんなにカジュアルにスタンプが押される場所なんでしょうか、100カ国以上回ってビザを貼ったりスタンプ押したりするスペースがもうないからページを増やす手続きをした、という方の話を聞いたりしたことはありますが、私などまだまだ10カ国にも満たないヒヨコですから、わざわざこんなところに押す必要はないのではないでしょうか、と常識人の私は思ってしまいます。そしてこれまで見たなかで最も殺風景なスタンプ。国名の表記もなにもない。日付と45という謎の数字のみ。ここまで簡素だとインクの節約という線までも浮上してきますな。







なお出国スタンプはこれです。まあヨーロッパにはありきたりな形です(場所はあいかわらずギリギリですが)。ちなみに右上のマークは、バスで国境通過すればこのように車マーク、電車で通過すれば電車マーク、船で通過すれば船マークが押されます。飛行機はまだ未体験。そういえば、次に訪れたマケドニアの出国スタンプが押されていないままずんずん先へ進んでいまハンガリーはブダペストでございます。ドナウ川が見えるマクドナルドからブログ更新。店内のトイレに入るときにレシートを見せないと門番に追い払われるシステムになっているのですがレシートなくした悲しい。

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